感動のシュスラン

今からおよそ35年前の夏、澤山君と鹿児島県は下甑島へ行きました。 島の最高峰、尾岳を迂回するように山頂の北側の急斜面に築かれた小道を山の奥へと歩いている時のことです。 砕けた石がゴロゴロ転がる斜面の中の、雨が降った時だけ水が流れる小さな沢のそばに、とても見事に咲く立派なシュスランをみつけました。

それは、私が過去にあちこちで見てきたものよりも大輪で、淡ピンク色の花を見事に咲かせ、今までに見てきたものとは比べ物にならないほど綺麗だと感じました。

シュスランは千葉県をはじめ伊豆の島などでごく普通に見られるポピュラーなランで、それまでは別に気にもとめなかったのですが、そのあまりの見事な姿に感動して、私は思わずシャッターを切りました。その時撮った写真がこれです。 どうぞご覧ください。

シュスラン

【シュスラン】千葉県を北限として伊豆七島や九州などの常緑広葉樹の樹林下に生える地生ラン。 通常、湿度の高い沢沿いや林の林床等で多く見られる。 しかし、霧が多く発生するような海のそばの高い山では、山頂近くでも立派に育っている株を見られることがある。 夏から秋にかけて白から淡紫紅色の花を咲かせる。 葉は、濃い黒みがかった緑色で、表面には和名の由来にちなむように繻子(しゅす)(ビロード)状の光沢がある。


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