地球温暖化に対応する農業を考える

東京農業大学 国際食糧情報学部 国際農業開発学科  小川桃佳

昨今、報道番組等では、地球温暖化において気温上昇による影響が問題視されています。

例えば、温暖化により熱帯域の等温線が高緯度方向に移動することによって生態系が変化し、気温や雨の降り方が変わってしまうことから、農産物の生産方法を変えていかなければならない。 これは今まで寒くて栽培できなかった作物が、より高々度の地域で栽培が可能になったり、はたまた、温帯域で栽培されているリンゴや硬質コムギの栽培がしにくくなったりと、農産物の栽培法や栽培域が変化している。 今から30年ほど前には、ミカンの営利栽培可能地域は神奈川県あたりとされていたが、現在では茨城県筑波山北側の石岡付近でも盛んに栽培されています。

それに伴い温帯地域では今まで発生が見られなかった熱帯地域の害虫や病気が見られるようになり、栽培技術・病害虫防除等これまでとは異なった技術が必要となってきています。 熱帯・亜熱帯地域ではより深刻になり、栽培技術や地球単位で起こっている環境問題の理解・解析技術が進んでいないため、この変化に適応させることが難しく、農産物の生産量が減り、最悪の場合飢餓になってしまう人口が増えてしまうことが考えられます。

これは、世界の主食であるコメ・コムギ・トウモロコシにも当てはまり、熱帯や温帯域の低湿地にはコメ、比較的乾燥地域や冷涼地でのコムギ、海抜の比較的高い地域でのトウモロコシ栽培においても、栽培地域が変わるだけでなく栽培に適さない土地に変わってしまう場合もあり、収穫量の大きな減産となってしまうことも考えられる。 収穫が出来ればよいが、そうでなかった場合、国として経済的に国民を養って行けなくなってしまったり、食料を確保するための戦争が起こったりするところも出て来るでしょう、栄養不足から様々な病気になる人々が増えると思います。

また、気候の大規模な温暖化のため、台風やハリケーンの発生が多くなり、自然災害の多発、集中豪雨や乾燥化により、地域によって河川流量の差が大きくなってしまい洪水や、干ばつに見舞われてしまうことも考えられます。そして、地球規模での温暖化にともない絶滅してしまう動植物が出てくると思います、特に移動能力に限界のあると思われる植物。 微妙な環境のつり合いで生育しているもの、そして陸上の氷河や氷床に貯蔵されていた氷や、南極大陸の氷が溶け海に流れ出す事により、海面上昇が起きる。特に赤道付近では、水の熱膨張・地球の遠心力などにより一層の海面上昇が起こり、海抜の低い国々の水没や、国土の半分が海面下のオランダなど、もともと干拓により国土を広げてきた国などにとっては大きな問題となっていると思う。

また、海面上昇により陸地のうち、比較的海岸に近い多くの農地が水没する事による農耕地の減少。これによって今までどおりの慣行的な農法では作物は栽培ができなくなり、それらの問題に対応できる新たな品種の開発や、病害虫防除の技術を開発、治水事業の急務などをそれぞれの地域に広めていかなければならないと思います。地球規模での温暖化を食い止めるべく、現在の人間が考え行動していくべきだと思います。
ここまで破壊してきたのが人間なのだから。

父は若い頃から山へ行き、その地域の植物を見てきたそうだが、人間が採取によって特定の植物が減るよりも、はるかに速いスピードで植物が生育していられる環境自体がチェーンソーによって山からはぎ取られ、絶滅していった事を良く聞かされます。

私はこれからどんなことが出来るかを考えると、栽培技術・病害虫の防除・温暖化の防止、数々の問題があると思うが、まずは食料の確保だと思います。 栽培技術の向上、新しい気候にあった栽培法の確立と伝承、海外の人々にそれを伝えて、より住みやすい国作りを進めて行かなくてはと思います。また、より狭い場所でも、より多くの収量を得られる作物の開発をすることで、飢餓のない人々が暮らせる世界を作ろうと夢見ています。

農業は地球を救える唯一の産業だと信じています。 農業がおこなわれなくなる、それは地球にいる人々が生きられなくなる事だと私は確信しています。


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